クリームのスタジオ盤は、その1枚1枚がそれぞれ完全に他から独立したオリジナルな世界をつくりだしていて、聴いたときに頭の中にイメージされる「色」のようなものが4枚とも全然違う。「4色からお選びいただけます」みたいな感じなんだが、それでいて「クリーム」という全体性は保たれている。
同じようなグループは他にはレッド・ゼッペリンがある。彼らの場合、8枚のスタジオ盤で見事に8つの世界を描き分けた。ジャケのイメージも大きいと思うが、そういう意味でも、安易なメンバーのニコパチ・ジャケは避けて欲しいところだ。グッバイ・クリームはちょっとヤバいけどね。
さて、<カラフル・クリーム>の9曲目に入っている『Outside Woman Blues』は、このアルバムの「色」を特徴付けている曲のひとつで、ボーカルはクラプトン。クリームのスタジオ盤では、お約束で毎回1曲はクラプトンが歌っていて、サザンのアルバムでの原由子さんを思い起こす。ジャック・ブルースのボーカルのアク抜き、という役割の点でも、ハラボーとおんなじ。ほほえましい、というべきか。
対してギターはかなり攻撃的。甘く伸びた切れの良いディストーションサウンドは、脳内にアブナイ物質が自動生成されるかのようにしびれる。クリームに時々見られるくどいオーバーダビングがないのもいい。ギターソロが短くて、曲自体もあっという間に終わってしまうのがもったいないが、フェードアウトせずにきっちりシメてるところは◎。

■収録アルバム:< Disraeli Gears ( カラフル・クリーム ) >