プロデューサーという職種は今でこそ日本でも脚光をあびるようになったが、昔は何をする人なのかよく分からない、という人も多かった。そんな時代だったので、フェリックス・パパラルディのクリームへの関与ぶりというのには、結構閉口した。なんとなく、ジャック・ブルースと二人でクラプトンをイジメているような気がしてたのだ。
しかし最近では、結構パパラルディはクラプトンに親身になっていたと思うようになった。『Lawdy Mama』を見栄えのする『Strange Brew』に仕立て上げてクラプトンにリードボーカルをとらせてシングル・カットしたり、同じくクラプトンがボーカルのシングル『Anyone For Tennis』でもビオラやメロトロン(この楽器の詳細はググッてください)で頑張って曲を盛り上げている。
この『Anyone For Tennis』はクラプトンの作曲で、メロディラインにはすでに後の『Lay Down Sally』や『Tears In Heaven』などの片鱗がうかがえる。何やら難解な歌詞にコミットしなければ、今シングル・カットしても結構売れそうな気がしてくるトラックだ。
『Anyone For Tennis』は<Wheels Of Fire>の面々と一緒に録音された曲だがシングルだったためLP時代は長らく廃盤になっていた(探せば売っていたかもしれないが)。CD化された当初は<Goodbye>に間借りしたりしていたが、今はボックスやベスト盤での入手となる。まあボックスは高いので発売されたばかりのベスト盤で聴いてみてはいかが?

■収録アルバム:< Gold ( クリーム・ゴールド ) >