クリーム再結成が盛り上がっているおかげで、検索結果の「ハンドクリーム」やら「ソフトクリーム」の中に埋もれていた我らのクリームもずいぶん上位に上がっているようでうれしいかぎり。
というわけで今回は解散後の1970年に発売された<Live Cream>の1曲目『N..S.U.』でいこうと思う。
『N..S.U.』はクリームの中ではノリが良く、いやがおうにも期待が高まるイントロは、アルバムのオープニングにふさわしい。歌詞が“Driving in my car〜”とはじまることもあってか、ビートルズの<ラバー・ソウル>のオープニング『Drive My Car』を想起させる(発表は『Drive My Car』が1年ほど早い)。
このライヴ録音は1968年の3月10日で、あの『Crossroads』や『Spoonful』と同じ日のテイク。なるほどフレーズには『Crossroads』でも聴ける手グセが散りばめられていて聴き比べると楽しい。クリームの公式ライブ音源の中ではこの日の演奏が一番カッチリとまとまっているようだ。
それにしてもこの時点でクラプトンがたったの22歳というのも相当に衝撃的だが、60歳になって同じ曲を同じメンバーと演奏しているというのも、さらに衝撃的である(『N..S.U.』は今回の再結成のセットリストに入っている)。
22歳のときの自分を振り返ってみるにつけ、また60歳になった自分を想像してみるにつけ、名画『アマデウス』で天才モーツァルトに悶々としたサリエリの苦悩を思わずにはいられない。サリエリにも遠く及ばないんだけどね。

■収録アルバム:< Live Cream ( ライヴ・クリーム ) >