フィル・コリンズである。フィリップ・ベイリーとのコラボ『Easy Lover』が今だチャートの上位を賑わせている1985年春、世界一忙しい男、フィル・コリンズがプロデュースした第1弾<Behind The Sun>が発売された。
すごい、これは売れるっ。ついにマドンナやミック・ジャガーとかと並んでMTVチャートを席巻し、ピーター・フランプトンと区別が付かなくてエリック・クランプトン・・などと口をもごもごさせていた一般ピープルの方々にも分かってもらえる日がついに来たっ。
ポップだしギターも結構弾いてるし、ということで友達にも勧めまくったのだが、結構冷たい反応で、この間流行っていた「へぇ〜」とは違う昔ながらの「へぇ〜」で軽くあしらわれてしまったものだ。まあ、チャートの方はクラプトンとしてはそこそこまで上がったらしいが・・・。
『Just Like A Prisoner』は重い曲ではあるが、これまでブルース・スケール一辺倒だったクラプトンのギターがポピュラーなスケーリングでメロディを弾いたりするようになった最初の曲のような気がする。フィルとジェイミーのツインドラムも凄くて、初めて聴いた時には久々に震えるような感動に襲われた。
シンセドラムがハイテクすぎて敬遠する御仁も多いと聞くが、次作の『Behind The Mask』(YMOのカバー!個人的には好きです)の衝撃に比べればまだまだ許容範囲というものだ。

■収録アルバム< Behind The Sun ( ビハインド・ザ・サン ) >