「上り詰めたら、あとは堕ちるだけ」というもの凄いフレーズは、クラプトンと縁が深いマーティン・スコセッシの『Casino』のVHS版のキャッチコピーだったと思う。(DVDには書いてない)
クリームで最初の頂点を極めたクラプトンが、デレク&ザ・ドミノスを結成するまでのほんのわずかの間に存在したユニットがブラインド・フェイスだ。
クリームの解散は人間関係のこじれが原因だという話をよく聞くが、それにしてもすぐ次のグループにジンジャー・ベイカーがご一緒してるというのはいかがなものか、だろう。
そうした背景はさておき、『Presence Of The Lord』である。
クラプトン作のこのスロー・チューンは、ソロの持ち歌が少なかった70年代前半にはよくライヴで取り上げられている。クラプトンのボーカル・バージョンが好きな向きには、比較的ダラダラした感じのウィンウッドのボーカルはイマイチに感じるかもしれない。
が、しかし。倍速で燃え上がるブリッジ部の余韻を残した3コーラス目でボーカルと掛け合うまったりとしたギターを聴くと、ここはボーカルとギターは別な人の方がいいんだな、と思う。
さらに、2コーラス目のバックのピアノが異常にリリカルで素晴らしい。こんなピアノと共演するならギターのボリュームをマックスにして張り合う気持ちは起こらないだろうね。
余談だが、せっかく名ジャケによく取り上げられるのに、<スーパー・ジャイアンツ>って邦題は、これっていったい?

■収録アルバム< Blind Faith ( スーパー・ジャイアンツ )>