細かく突き詰めれば違うのだろうが、ビートルズのアルバムに何気なく入っていそうなクラプトンのオリジナル。その場合、ボーカルはジョージかなあ・・・意外にポール?
『Easy Now』はクラプトンの作曲の原点が見てとれるメロウ路線で、ワイルドでブルージーに仕上げると『Bell Bottom Blues』、マイナー調に転ぶと『Let It Grow』といったところか。
とはいっても70年代のクラプトンに特有の“ゆるゆる”感はなく、キレイにていねいにまとめてある。ある意味クラプトン作品の中の一種のオンリーワンなのかもしれない。
収録アルバムの<Eric Clapton>は、とんがって攻撃的なストラトのサウンドと、ヤンキーなノリについていけなくて敬遠気味のファンも結構いそうだが、CDだとちょうど真ん中ぐらいにアコースティック1本のこの『Easy Now』がでてくるので、上手い具合にメリハリがつくことになった。
このアルバムが出た同年の暮れには早くもデレク&ザ・ドミノスの<Layla & Other Assorted Love Songs>が発売される。デレク結成の経緯やメンバーからいっても、その前哨戦っぽくとらえられがちな<Eric Clapton>だが、『Easy Now』については、どちらかというと再起後の<461 Ocean Boulevard>にすんなりとつながっていく曲に思える。

■収録アルバム< Eric Clapton ( エリック・クラプトン・ソロ )>