スーパー・ロック・ギタリストの呪縛がとけて、ギターを抱えたスーパースターに生まれ変わった新生クラプトンの記念すべき一発目のシングル。
70年代にあれだけギターを弾いてないアルバムを連発したにもかかわらず、結局ロック・ギタリストというカテゴリーから逃れきれなかったクラプトンだったが、96年発表のこのシングルで、ようやく広大なポピュラー・ミュージックという海に漕ぎ出すことができた。
この曲について、もはやギターがどうこうとか、クリームがどうしたこうした言うひとはもういないだろう。
そこにあるのは、純粋に曲として気持ちいい、聴いててワクワクする、極めて質の高いヒットソングなのだから。
そして昨今の世界情勢を見るにつけ、“I can change〜”のサビの歌詞が切なく胸にこだまするのだ。
ちなみにこのシングルCDには、村上春樹さんのファンなら思わずニンマリとする『Danny Boy』(※)がアルバム未収録曲としてカップリングされていたが、シングルは入手困難なわりにコスト・パフォーマンスが悪いので、収録アルバムとしては<Chronicles>をオススメしておく。
※『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』参照

■収録アルバム< Chronicles ( ベスト・オブ )>