ブルース・ブレーカーズ時代のシングルとなると、ほぼマニア向けとなっていて最近ではふらりとCD屋に立ち寄ってすぐ手に入るというものではなくなってしまった。
本屋にしても、「えっ、あの文豪の作品が売ってないの?」と面食らうことが多くなっている。著作権ビジネスは当たると金になるということで、出版社やレコード会社が本やCDを出しすぎて、狭い店舗内に展示しきれなくなってしまったのだ。
つまり必然的に利益率の高いものやよく売れるものと入れ替えに、マイナーなコンテンツは棚から姿を消すことになる。
本屋やレコード屋が作家やアーティストのアーカイブとしての機能を失ってしまったのは寂しいが、代わりにインターネットでいつでも検索できるようになり、その場で曲単位で買えるようになるということなので、時代の流れとあきらめるしかないだろう。
そんなわけでずっと昔に買ったヤードバーズとブルースブレーカーズ時代の曲を集めた編集盤で『Telephone Blues』を聴いているのだが、ギターソロが面白い。高音から低音弦に駆け下りてきて低い音でグリングリンとやる定番フレーズが、ここですでに顔を出している。
ジョン・メイオールがトラッドなブルースの型をはずれることを許してくれなかった、という話を何かで読んだが、ジャック・ブルースの攻撃的なベースと張り合ってせわしないフレーズばかりの印象があるクリーム時代と比べると、ずいぶんのびのびと弾いてるな、という印象を受ける。
誰にしてもグループ加入一発目というのは、適度のお客さん気分と緊張感で、意外にいい結果が出せるものなのかも知れない。
※下記アルバムは現状品切れ中なので、内容を参考に輸入盤などを当たってみてください。

■収録アルバム< Blues Years ( ブルース・イヤーズ )>