今後どうなるかはともかく、アンプラグド以外でいわゆる“新譜”として発表された『Layla』のライヴというのは、スタジオ盤発表から30年以上もの歳月を経たこの2002年発表の2001年ツアーでのライブだけということになる(レインボウ・コンサートおよび他のバージョンは発掘テイクの編集盤なので)。
ひとくちに30年といっても、たとえば15歳の少年が45歳になっているわけで、人生の何もかもが変わってしまい、もう遅いよ、というファンも大勢いることだろう。
まあ、幸いにして頻繁な来日公演と多くの映像作品でレイラのライヴに接しているのでホントの所はそんなに待ちこがれていたわけではないのだが、やはりCD(レコード)の公式音源というのは、アナログ盤全盛時代をともに生きてきたファンにとっては特別の思いがあるだろうと思いたい。
そんなわけでこのテイクでは、70年代のような緊張感こそないものの、もっともデキがよく、リラックスした演奏が聴ける。
どちらかというとちょっと走り気味で前のめりの演奏、というお馴染みのアレンジからリニューアルし、地に根を下ろしたようなモッタリとしたリムズに上手くのっかったクラプトンのギターも、いままでになくよく歌っている。
アンプラグドは別として、現在の所このテイクが『Layla』のライヴ・バージョンの代表格であることは間違いないだろう。
※わかりにくかったため10/23に冒頭のパラグラフ修正。

■収録アルバム< One More Car, One More Rider ( ワン・モア・カー、ワン・モア・ライダー〜ベスト・ライヴ )>