またクリームである。なんでかというと、クリーム(リユニオン除く)全曲をぶち込んで以来、iPodの中身を入れ替えていないからだ。
なんでかというと、とにかく面倒なんである。PCにつないで、自動起動するiTunesから聴きたい曲を選んでドラッグするだけ。たったこれだけなのに。
おそらくこの操作性の良さは現状技術でのベストであろうし、毎回プレイヤーへのダウンロードが一か八かの賭けだった2〜3年前のヒドイMP3プレイヤーに比べれば天国と地獄の差があるにもかかわらず。
やっぱ音楽を聴くという行為については、ベロベロに酔っぱらって足でCDプレイヤーのイジェクトボタンを押して無造作にCDをつっこみ、再び足でプレイボタンを押しておっとっととよろけて床に置いてあった友人から借りた<詩人タリエシンの世界>を踏んづけちゃって、おっといけねー、みたいなノリで聴けるくらいのユーザビリティが欲しい。
というわけで『As You Said』はクレジットによるとクラプトンは不参加、ということで長らくご無沙汰だった。おまけに『おまえの言うように』って邦題がどうにもアクが強くて、ジャック・ブルース怖いなあって方に傾いちゃうんだよね。
ところがちゃんと聴いてみると、これがまた結構いい曲なのである。オリエンタルなムードに加え、ラストへの盛り上げ方もしっかり計算されている感じ。ほとんどの楽器をジャック・ブルースが1人で演奏していることも、クリームには珍しい完成度の高さにつながったのだろう。
それにしても、ツェッペリン3rdの『フレンズ』をはじめ一連のアコースティック曲って、テイストが『As You Said』に似てるなあ。もちろんさらに昔のお手本があるのだろうけれど、この曲を聴き終わると、なぜか『祭典の日』が頭の中で流れ出す今日この頃なのである。

■収録アルバム:< Wheels Of Fire ( クリームの素晴らしき世界 ) >