大ヒットアルバム<アンプラグド>の中で、オリジナルのアレンジをガラリと変えて演奏された曲として『レイラ』と双璧をなす作品。
デレク・アンド・ドミノスのまったりとしたエレクトリックなアレンジを180度転換して、リズミカルな歌ものとして新たに解釈し直したバージョンとなっている。
もともとは1920年代のジャズ・シーンでヒットした曲ということで、原曲が重しとなって『レイラ』の意匠替えほどの突飛さはないが、すがすがしささえ感じる軽快な進行は「80年代以降はどうも・・・」と退き気味のオールド・ファンでも一聴する価値はあるだろう。
これ以降、クラプトンの成功に続けとばかりに大物アーティストのアンプラグド企画が目白押しとなるわけだが、我らがペイジ・プラントのプロジェクトもMTV出演がきっかけだとか。
初のフルアルバム<ノー・クォーター>冒頭の『俺の罪』でブルージーなハードロックだった本歌を一瞬コミカルとも受け取られそうな「なんちゃって音頭」みたいにしてしまったのは明らかにアンプラグド『レイラ』と『だれも知らない』の影響だと思うのだがいかがだろう。
話をもどして、このクラプトンの<アンプラグド>は、たしかワーナーとの、契約期間中に2枚のライヴアルバム、という約束を履行するために駆け込みでリリースしたのだったか、ジャケなども画面キャプチャそのまんまみたいであまり計画性が感じられないが、そんなアルバムがバカ売れしてしまうわけだから世の中はわからない。
まあ結果としてクラプトンのファン層が一気に広がったことを思えば喜ばしいことなのだろうが、そこそここだわりのあるファンとしては、ラストの『ローリン・アンド・タンブリン』を、半端な始まり方でもいいからフェードインせずに収録して欲しかった、などとブツブツ文句を言ってみたりとか。
※『ローリン〜』の記述に誤りがあったため、06/07/20:00削除訂正しました。

■収録アルバム< Unplugged ( アンプラグド )>