おそらくぼくが実際に東京ドームで観てきた演奏からの音源ですが。
当時は次から次へと大物アーティストが来日していたので結構マヒしていて、ああ、今度はジョージか、ぐらいの感覚だったのが正直なところ。
なので今改めて聴き直した方が、実は当時より感動が深かったりもするわけだ。
このときのクラプトンは、自信にあふれ、乗りにのっている。当時のこころの問題については音楽と直接関係がないということで触れないが、演奏の調子が良かったことだけは間違いないだろう。
どちらかというと「弾きすぎ」なのかもしれないが。
特にこの『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』については弾きすぎ感が際だつ。
このときの演奏は大好きだし、ファンの皆さんの気を悪くさせるつもりもないが、あえていっておくと音数が多すぎたかなあ。ソロ出だしのロングトーンのビブラートはさすが、としかいいようがないが、その後、マイケル・ケイメンと出会ってから顕著になるいわば「歌謡曲ノート」を多用した手グセフレーズが、ちょっといただけないのだ。やはりこの曲に関しては、音数少なく、まったりと責めてもらいたい。
メジャーに転調してボーカルに橋渡しするところも、「おっとっとっ、もう歌か」という感じでいささか唐突だ。
逆にラストで絡んでくるストイックなジョージのフレーズの方が、ビートルズのオリジナル音源のクラプトンに近いイメージなんじゃないか、と思ってみたりもする。
それにしてもやっぱり何度聴いてもいいっすねえ、この曲は。
ついでに、サビの部分でシュワッ、シュワッ、パア〜とか入るコーラスは、いくらアダルトでコンテンポラリーなクラプトン・バンドとはいえ、どう考えても減点1。

■収録アルバム< Live in Japan ( ライヴ・イン・ジャパン )>