新生クラプトンの1枚目の1曲目。
スライドギターに慣れていない向きには、少々うるさく感じられるかも知れないが、意に反して抑制の効いたヴォーカルは、シブイの一言。
ドラムもロールしていて、ノリのよさではアルバム中『アイ・ショット・ザ・シェリフ』と双璧だろう。
ということで、よく目立つということは、早く飽きてしまう、という宿命を背負うわけで、時々2曲目から聴き始めたりしたこともあったっけ。
そんな存在感のある曲だけれど、実は公式ではライヴ・バージョンが存在しない。
ベスト盤を除けば、後にも先にもこれだけ。
そういう視点で見てみると、ポリドール時代のソロ活動においてはアルバムのオープニングナンバーの公式ライヴ演奏があるのは実に『コカイン』ただ1曲。
つまり、アルバムはアルバムとして、ヒット曲メドレーの場であるライヴ・ステージとは違う独自コンセプトでしっかりと成立していた良き時代だったということだろう。
ワーナー時代に移ると、アルバムタイトル=オープニングナンバー=ツアーコンセプトみたいな月並みな流れになって、どうにも「お約束」感がぬぐえない。
とブツブツいいながら、年をとって素直にショーを楽しめない自分にもイヤ気がさしたりするわけだ。

■収録アルバム:< 461 Ocean Boulevard [Deluxe Edition] (461オーシャン・プールヴァード+16<デラックス・エディション>)>