うっかり録音テープを停めていたら、いつのまにか素晴らしいセッションが始まっていた。それであわててテープを回したため、頭の部分が切れている。
『ハイウェイの関門』がフェード・インで始まる理由について、プロデューサーを務めたトム・ダウドはこんな趣旨の発言をしていたと思う。
デレク・アンド・ドミノスのアルバム<いとしのレイラ>のかつてのB面ラスト、つまりちょうど真ん中あたりで繰り広げられるエリックとデュエインのギター・カンバセーションは、間違いなくアルバム全体を通しての白眉であろう。
エリックのソロとボーカルのあと、ダイナミックに入り込んでくるデュエインのスライド。その後、デュエインがグッとトーンを落とすと、エリックもバッキングをストロークからアルペジオに変えて対応する。
そんな繊細な二人のやり取りについてはこれまで数え切れないくらい書かれているだろうからこのくらいにしておくが、そうはいっても一言いっておきたくなるこのセッション・テイクは、そのくらい素晴らしいドキュメントである。
ちなみにワーナー時代になってからはグローバル対応となって曲名が『キー・トゥ・ザ・ハイウェイ』となってしまったが、当初は上述のように『ハイウェイの関門』というなにやらドラマティックな邦題がついていて、ワクワクしながらB面を聴き進んだものだ。
当時まだブルースの良さを知らなかったぼくが退屈して途中で眠ってしまったことは、昔のエントリーに書いたとおりだ。

■収録アルバム< Layla & Other Assorted Love Songs ( いとしのレイラ )>