24ナイツは、サイモン・クライミー時代に入る前のクラプトンの集大成、といった感じのライブ・アルバムでギターの方も元気良く弾きまくっていて好感が持てる秀作だ。
エリック初のフルデジタルDDD仕様のこれまた初のCD2枚組での新譜で、ぼくは発売時に購入したのだが、当時は2枚組CDというのは今のような1枚用と同じ厚さのスリムなケースではなく、厚みが3倍ぐらいある非常にダサいデザインのものだった。
ダサいし場所もとるので、今出ているスリムタイプのものにリプレイスしたい欲求が時々起こったりするのだが、買ったときから既にフルデジタルなので、デジタル・リマスターだからなどという言い訳もきかず、ケースのために全く同じ音源を買うのもバカバカしいので、店頭で眺めるだけとしている。
そんな24ナイツの2枚目は『プリテンディング』から始まるわけで、そのあと『バッド・ラブ』『オールド・ラブ』と立て続けにジャーニーマン・ナンバーが続くので、時々イメージが<ジャーニーマン>とごっちゃになってしまう。
しかしながらこちらのライヴ・バージョンでは、フィル・パーマーというギタリストの歯切れの良いショワショワしたオブリガードとサクサクしたバッキングという聴きどころがある。
あくまで黒子という役回りで、エリックが歌いながら弾けない部分を代行したり、単音リフやソロに厚みをつけたりという作業なのだが、スティーブ・ルカサーなど80年代の西海岸ロックを思わせるディストーション・サウンドに思わず聴き入ってしまうこともしばしばだ。
そんな視点で聴けば、食傷気味のジャーニーマン3点セットも意外と新鮮である。

■収録アルバム<24ナイツ>