クリームが、これまでに聴いたことがないグルーヴ感あふれるコンテンポラリー・ブルースバンドであることを知らしめた1曲。
エリックのソロは、例によってライヴとは正反対の、音数をセーブしてじっくり練り込まれたフレーズで効果を上げている。
こちらはイギリスでのクリームの2ndシングルということで、1stは『包装紙』というトラッドな感じのブルース。『包装紙』は聴きようによってはヤードバーズの『フォー・ユア・ラヴ』よりコマーシャルな出来映えで、「あれれ、こういうのがイヤでヤードバーズ辞めたんでないの」などと突っ込みたくなるところだが、間をおかずに『アイ・フィール・フリー』が出たので一安心といったところか。
ところでニュースによると、北朝鮮がクラプトンに平壌で来年公演するよう招請し、クラプトンは基本的に承諾する方向だとのこと。
ネットで検索すると、現書記長の後継がエリックの大ファンでわざわざヨーロッパに公演を見に出かけるほどだそうだが、そうした背景があったとしてもエリック・クラプトンが地球レベルで受け入れられているアーティストだという事実は素直に喜びたい。
政治というのは我々の暮らしにダイレクトに影響を与えるが、現代においては政治が人生のすべてを支配するわけでもない。政治のコントロールが及ぶのは人間の営みのほんのわずかな領域でしかないことを、時々思い出しておきたい。

■収録アルバム<フレッシュ・クリーム>