60年代中盤にジョン・メイオールとライヴで演奏していた名曲『フーチークーチー・マン』がおよそ30年の時を経てエリックの公式録音としてアルバム<フロム・ザ・クレイドル>に収録された。
ジョン・メイオール時代の演奏は<プライマル・ソロズ>や<ブルースブレーカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン・デラックス・エディション>などに収められている1〜2コーラスがブチ切れていて間奏のインプロヴィゼーションとメイオールの3コーラス目が収められた中途半端なテイクだが、この時期ならではのエリックのワイルドで攻撃的なフレーズがたっぷり2コーラス分聴けるという意味では相当貴重であろう。
対して<フロム・ザ・クレイドル>の方のテイクは淋しいことにギターソロなし!ブルースハープをフィーチャーし、オリジナルの雰囲気を再現したということか。
あとこの曲については、やはりタイトルがすごい。フーチークーチーってなんだ??というワケで、一度聞いたら忘れられないヘンテコなタイトルだが、pretty womensをjump and shoutさせるモテモテの悪漢というイメージは、実はエリック自身のことでもあったりするわけで、そこらへんの自嘲を込めたシンパシーでこの曲を取り上げたのだろうか。
まあ、ぼくの場合はフーチークーチー・マンに憧れ、いつかはそうなりたいと願いながらも、望みかなわずいつのまにかこんな年になってしまったが。

■収録アルバム<フロム・ザ・クレイドル>