先日、HMV渋谷店が閉店する話を書いたが、実は知らないうちに巨大店舗HMVタカシマヤ・タイムズスクエア店がとっくの昔に撤退していたのだ。昨年何度か行ったので、当然今もあると思っていたのだが・・・。
さらに数寄屋橋店につづき、銀座インズ店も先週で閉店。これで銀座でCDを買う選択肢は山野楽器だけになってしまった。
とはいえ、旧作CDの品揃えはまあまあ良いので、山野楽器だけでもそんなに困らないが・・。
いずれにしてもHMVの閉店ラッシュはすさまじい。レコード屋、いやCDショップという業態自体が急速に縮小しているわけだから、閉店と共に解雇された場合は、全く別の職業に就くしかないのだろうか。
こうした市場のシュリンクが起きているのは、CD業界だけではないだろう。リーマンショック以降、あらゆる業界でこれまでの過剰生産→消費者に借金させて在庫処分、という方程式が成立しなくなりつつある。
これまで世界はいらないものを生産&消費しすぎていたのだ。それが適切な規模に落ち着くまで、この変革は続いていくだろう。
♪力強い何かが起こっている。世界中で何かが起こっている。
アルバムビハインド・ザ・サンの初回のデモテープでワーナーからダメ出しをくらい、ロスで追加録音したジェリー・ウイリアムスの3曲のうちの1曲がこれ。
キラキラした張りのあるサウンドに、ノリの良い明るいヴォーカル、メロディアスな中間部、クリアで歯切れの良いギターソロなど、聴き所は多い。
こんな曲を口ずさみながら、世界の変革を楽しむのも悪くない。
もし中産階級的消費の価値観と、ステレオタイプな老後の不安を捨て去ることが出来れば。

■収録アルバム<ビハインド・ザ・サン>