とても良かった、というのが正直な感想。
ずいぶん前に<前編>を書いたまま放置していた『枯葉』についてである。
短いイントロからボーカルが始まったとき、衝撃を受けた。
声のトーンがものすごく暗い、のである。セルジュ・ゲンスブールもびっくりの暗さ。
例のオーバー・ザ・レインボーのような軽い感じを想像していたので、いい意味で裏切られた感じだ。
そしてラストのギターソロも、セミアコで泣きのフレーズがタップリ。フェードアウトせずきっちり終わってくれるのも好み。
あえて言えば、ギターソロに終盤かぶってくるオーケストラはいらなかったかな。ユニットだけで頑張って盛り上げていった方が、かっこいいと思うんだけどね。
つまり、ようやく『CLAPTON』のアルバムを購入したわけだけど、なぜ今まで買わなかったかというと、やはりジャケの影響が大きい。前に書いたように、イージーリスニング感満載で、女性に人気のあるムードミュージックのおじさん、みたいなノリにどうにも抵抗があって購入を控えていたというわけです。
なので、改めてダメジャケの聴かず嫌いはご法度、としたいのだが、ツェッペリンの『プレゼンス』のジャケがアメリカンファミリーすぎて何となく買うのを後に回したとしても、振り返ればジャケにしっかり仕掛けがしてあったのに感嘆せざるを得ないのに比して、『CLAPTON』についてはストレートのど真ん中で種も仕掛けもないので、やはりかつてのロックファンとしては物足りないことしきりと言わざるを得ない。いっそ裏ジャケのストラトの背面アップの方を表にした方がまだよかったかも。
さらに悪口を言えば、『CLAPTON』というタイトルも?マークがつくが、いつごろからか、毎回これが最後のオリジナルアルバム、という気持ちでリリースしているふしもあるので、スティーブ・ジョブズの「今日が人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私はやりたいだろうか?」のマインドにも通じるところもありそうなので、とりあえずは通し、としておきたい。