24ナイツは、古くからのエリック・ファンにとっては比較的新しい時代のライブに入るが、それでも既に演奏時から30年以上もの歳月が流れていることに驚愕する。
30年以上も前のライブの完全版的なリリースがそこそこ話題になり、ダイジェスト映画まで公開されたのだから、やはりエリックはすごい、ということなのだろう。
前回、オーケストラバージョンのレイラをレビューしたので、こちらのロックバージョンも併せてレビューしておくのが公平というものかと思い、エントリーすることにした。
曲のフレームとしてはオーケストラバージョンと同じで、ピアノコーダまでの演奏もほぼ同じスタイル。リフバックのソロはこちらのロックバージョンのほうが前のめりで鬼気迫っているが、キメの3連フレーズの直後、息切れしたのか一旦リフのコード弾きに回帰するところが微妙。映像でも複雑な表情を見せているが、気分が盛り上がって思わず勢いでコード弾きを入れたのかもしれず、それであればご愛嬌だろう。
ピアノコーダはオーケストラバージョンと違い、一周目からスタジオ盤の雰囲気に近い演奏。二周目からはリリースから20年に及び様々な形式で演奏してきたピアノコーダのイメージの集大成のようなフレーズをエリックが披露してくれる。
胸に込み上げてくるものがあるが、やはり、暖かい春風そよぐ野原が眼前に立ち現れてくるかのようなカタルシスは、あの、最初のスタジオテイクでしか得られないのかもしれない。

■収録アルバム:< 24 Nights:Rock ( 24ナイツ:ロック )>